言語能力に差がある2組の日本語ー英語使用者
グループのコード切り換え
本文は英語のみ
Sandra S. Fotos
Department of Economics,
Senshu University, Kawasaki, Japan
この論文では、2組の日本語ー英語使用者グループのコード切り換え
(1つの発話の中で言語の切り換えを行うこと)を比較する。グループの
一方は、日本語能力と英語能力がほぼ均等であるバイリンガルの子ど
もたちであり、もう一方は英語能力がそれほど高くない日本の大学の
EFL(外国語としての英語学習者)である。切り換えられる項目の種類
と頻度、また談話におけるその機能について調査した結果、 これらの
非常に異なる2組のグループの間に類似する傾向が見い出された。ど
ちらのグループのデータについても、切り換えの方向(英語から日本語
へ、あるいはその逆)にかかわらず、文法的に正しいものであった。単
一の項目を単位とした切り換えが最も頻繁であったが、両グループとも
、独立節および従属節を単位とした切り換えも巧みに行っていた。会話
におけるコード切り換えの機能としては、強調、意味の明示化、聞き手
の注意の引きつけとその維持、話題の特定化、会話の引用、発話の訂
正、発話の一部の強調や印象づけなどが見い出された。本研究で見い
出された結果は、他のさまざまな言語でのコード切り換えを扱った先行
研究の結果とも一致するものであった。 またEFL学習者は、
バイリンガルの子どもたちよりも英語能力が低いにもかかわらず、切り
換えを問題なく行えることもわかった。EFL学習者もバイリンガルの子ど
もも、 聞き手に対して自己の発話を強調したり、内容を豊かに生き生き
としたものにするのに、コード切り換えを巧みに行っていた。