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Volume 3 No.1
October 1997
The Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism
多言語多文化研究
ハワイの日系人社会における日本語習得:
ハワイの日本語学校のケーススタディー


Usui Yoshiko
International Christian University, English Language Program

移民史初期の熱心な母語維持活動にもかかわらず、戦後ハワイの日
系人社会での使用言語は英語へと変わってしまった。しかし、終戦後
50年以上がたち、日米関係の復興と日本経済の急伸にともない日本
語能力が重視されるようになってきた今、多くの日系人が日本語を学
ぶよう努めている。しかし、こういった努力もバイリンガリズムにつなが
るまでには至っていない。そこで、本稿では、まずハワイにおける日本
語維持そして習得活動の歴史をたどり、Fishman
の Graded Intergenerational Dislocation Scale (1990, 1991)
に現状を照らし合わせてみた。そして、現存する12校の日本語学校の
1校におけるケーススタディーの結果をもとに、なぜ日本語学校がバイ
リンガリズム推進にそれほど貢献していないのかを追及してみた。教
室内で英語が主に使われていた事、内容理解というよりもひらがな/
カタカナ/漢字が読める事を重視した読みの指導が行われている事、
学校の指導目標と生徒及び父兄の期待とに差異がみられる事、生徒
の動機が低く、不本意に参加している者が多い事などの問題点が明
らかになった。最後に、より安定したバイリンガリズムをもたらすには何
をしていくべきかを考慮してみた.