新国際学校における帰国中学高校生の英語受容語彙力の保持と向上
田浦秀幸
福井医科大学
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新国際学校に在籍する英語圏からの帰国中高生(n=80)の英語
語彙力の受容面に関して入試センター作成の「ことばの調査(英
語)」を用いて横断的研究を行った。その結果、
(1)英語圏で3年以上学校教育を受けても英語語彙力は相当学
年よりも1学年以上劣るレベルにしか到達していない、
(2)帰国後2年未満の帰国生徒は帰国時の語彙力を保持するの
が精一杯である、
(3)帰国後2年以上の帰国生徒の語彙力は母語話者に約1学年
劣るペースではあるが毎年向上していることが判明した。即ち、
英語を習得した後に母語環境に戻った中学高校生帰国生徒の
英語受容語彙力は、新国際学校という環境の中では当初2年間
は保持され、その後4年間にわたり向上を続けるという結果がで
た。これは英語語彙保持面に関して、思春期前の子供たち、大
学生以上の成人を対象に受容語彙力が長期にわたり保持され
るという先行研究に一致するもので、年齢に関係なく受容語彙力
の長期にわたる保持を支持するものである。本研究で観察された
帰国後2年目を境にした大きな変化の理由に関して、新国際学
校という教育環境、言語保持に関する帰国生徒の高い動機づけ、
英語の読み書き能力に起因すると解釈する可能性が示唆された
が、結論付けるには更なる研究が必要である。