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教室の中では
日本の小学校英語授業における教授法

湯川笑子
京都ノートルダム女子大学
e-mail: ved04614@nifty.ne.jp

日本の小学校英語教育導入の是非は20年あまり議論され、今年の
4月から「総合的な学習の時間」における国際理解教育の一要素とし
て外国語(多くの場合英語)を教えてもよいことになった。本稿は、小
学校の英語授業における教授法の分析である。公立・私立の計11の
小学校で、英語能力や教員歴が異なる様々な教師による英語授業を、
観察、録画(或いはオーディオテープに録音)し、フィールドノートをとっ
た。これらの授業で観察した英語のインタラクションを、形式と意味の
扱い方に基づいた外国語教授法の理論的枠組み (Doughty and
Williams, 1998; Long and Robinson, 1998)を用いて分析した。それは、
外国語教授法には、(1)形式ベース(focuson formS),(2)意味ベー
ス(focus on meaning),(3)フォーカス・オン・フォーム(focus on form)
の3つの方法があるというものである。分析の結果、授業は「形式ベ
ース」で行われているものが主流であることが明らかになった。現在
の状況(授業時間が少ないこと、具体的な教授目標の欠如など)では、
生徒の知的能力が高度に成長するのに対して英語力は低くとどまる
ため、高学年の指導が大変困難になりがちである。一方、「意味ベー
ス」と「フォーカス・オン・フォーム」の授業は、少ないが見ることができ
た。この授業では、生徒は英語を少なくとも受容レベルでコミュニケー
ションの手段として使っていた。英語の教授内容は生徒の知的レベル
に合致しているが、この方法をとるためには、教師の優れた言語運用
能力と教授方法の技術が必要である。本稿はそれぞれの授業のタイ
プについてさらに詳細を述べ、現在の小学校英語教育が持つ他の問
題にも触れる。今後、本格的な教師教育に加え、教授時間数と教授法
の改善が必要であるとする。





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Volume 8 No.1
November 2002
The Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism
多言語多文化研究