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バイリンガル/バイカルチャラル・アイデンティティ
(帰属意識)の形式
日系アメリカ児童のケース・スターディー

テナシー州立大学
クララ・リー・ブラウン


本稿は、バイリンガル児童の民族意識(エスニシティ)と言語的
アイデンティティの形成を調べたケース・スターディの報告である。
参加者は、大人になってからアメリカへ移民した日本人両親を持
つ、アメリカ生まれの11歳の男子(クリス君)である。従って、
クリス君の家庭の言語と文化は、周りをとりまくアメリカの言語と
文化とは、明らかに異なっている。本研究では、エリクソンの心
理発達理論(1963年)と、エリクソンの理論をさらに発展させた
ツエの理論(1998年)・/font >周りの社会と異なった人種であ
る少数民族のエスニック・アイデンティティ形成理論ーに基づいて、
クリス君の現在のアイデンティティを分析した。彼は、日常生活に
おいて、二つの言語と文化を扱っているが、アイデンティティを形
成するにあたり、生まれた所と運用能力の高い言語を優先してい
ることが判明した。つまり、彼はアメリカに生まれ、日本語よりも
英語が流暢に話せるので、自分はまずアメリカ人だと見ているし、
周りの社会に対してそうだと主張する。一方、彼は、アジア人の
顔つきをしているので、日本人としてのアイデンティティも持って
いる。その意味で、ツエの理論にあるように、外観もアイデンティ
ティ形成の重要な要素の一つであることが確認された。このよう
に、11歳の若者にとっても、バイリンガル/バイカルチュラル・
アイデンティティの形成は、複雑であることが明らかになり、この
ような若者がうまく成長できるように、親、教師や周りの社会の
支援が必要であることが示唆された。



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Volume 9 No.1
November 2003
The Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism
多言語多文化研究