日本在住のマルチリンガルの子どものマルチ・アイデンティティの
形成とそれについての本人の意識
史杰、電気通信大学、電気通信学部
本論文は、三か国語話者家族と子どもの長期事例研究の一部として、日本在住
の多言語習得者の子どものケーススタディーを通して、多言語習得者のマルチ・
アイデンティティを研究するものである。本研究は対象児童をとりまく言語や、社
会、そして家庭環境などの分析に基づいて、子どもの中にある複雑なアイデンテ
ィティを、特徴的かつ共存する以下の七つのアイデンティティ・タイプに分類した:1
.グループまたは社会的なアイデンティティ、2. 文化的アイデンティティ、3. 言語ア
イデンティティ、4.親族や家族のアイデンティティ、5.個人としてのアイデンティティ
、6.民族あるいは人種的なアイデンティティ、7.国籍や国家のアイデンティティ。さ
らに、それぞれのアイデンティティ・タイプに関する質的データを、母親の日誌記録
、会話記録、インタビュー記録をもとに提示する。