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体験入学が米国で育つ日英語バイリンガルの子どもに
及ぼす効果

杉森(秋本)典子、
ボストン大学応用言語学科博士課程学生

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Volume 12, No.1
November, 2006
The Japan Journal of Multilingualism and Multiculturalism
多言語多文化研究
bsig.org


少数言語話者の子どもたちが母語を維持することは望ましい
ことされているが、母語維持の難しいことと、子どもたちの母
語習得が不完全になりがちであることは、先行研究で示され
てきた。それゆえ、母語が話される国での体験入学は母語を
強めるカンフル剤として注目を集めてきた。本研究ではそのよ
うな経験が米国の日本人移民(親たちは日本人か英語母語
話者と結婚している)の子弟の日本語力にどのような効果が
あるのかを調べた。日本語と英語のバイリンガルの二世の子
どもたち4人(年齢は3歳9ヶ月から9歳4ヶ月で、4人のうち3
人はアメリカ人の父と日本人の母を持ち、一人は両親が日本
人)は英語と日本語を第一言語として同時に習得しているが、
親と日本に行き、4〜6週間日本の学校に体験入学した。体
験入学の効果を調べるために、家庭での自然な会話の録音
を日本への出発前に一回、日本滞在中に二回、帰米後二回、
分析した。日本語の完全さを測る尺度として助詞は重要であ
るので、子どもたちと親の助詞の使用、子どもたちの助詞の
エラーを調べ、次のような結果が得られた。1)体験入学は出
発前から母語としての日本語の強い子どもの日本語習得をさ
らに促した、2)助詞の使用に向上が見られなかった子どもた
ちに、第一言語喪失と第一言語習得の両方のエラーが見られ
た。これらの結果は、少数言語話者の子どもの母語をサポー
トする方法としての体験入学の効果や、第一、第二言語習得、
第一言語喪失、第一言語不完全習得を統合しようとする研究
に示唆を与えてくれる。