この研究は、英語と日本語という類型的に離れた言語間の
コードスイッチング(CS) の文法構造面についてのものである。
言語間で文法の相互作用が起こる「挿入」タイプのCSに焦点
が当てられ、英-日バイリンガル兄弟の自然な会話のCS
データを)使い、「挿入」の枠組であるMyers-ScottonのMLF
モデルと4-Mモデル(2002)で分析された。埋め込まれた言語
(EL)の活性化の視点からデータを見ると、借用語から単独
アイテム挿入、さらに複数アイテムの挿入は、連続体として
とらえることができ、借用語と単独アイテム挿入を区別でき
ないことがわかった。また、母体言語(ML)を判別するのに、
システム形態素・形態素順序原則を使って判別できるのか
検証されたが、EL活性化のレベルが低いときは、二つの原則
は有効であるが、ELが完全に活性化しているときには、
システム形態素原則は有効でないケースが見られた。
このことから、MLFモデルは、連続体のモデルの中に取り
込むことができることが示唆された。